「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2011イン尾道」(以下RFL)が9月18日19日、尾道市のびんご運動公園で開催されました。前日は台風による雨でほとんど準備が出来ませんでしたが、奇跡的に両日ともに天気に恵まれました。
小学生の土堂っ子太鼓で威勢のよい掛け声で幕が開き、大会テーマ「がんでもいいじゃん」のフラッグを手にスタートです。
チーム毎に手作りのフラッグが彩り豊かに会場を華やかにします。
会場内にはオークションコーナーや整体、ノルディックウオーキングの実践、がん患者を励ます絵手紙の展示や、がんだけでなく、交通事故で命を落とさない様、夜間視力の測定や酒酔い体験を実施するテントなどもあります。
ステージでは音楽やダンスの他に“ヘン顔”をしながら綺麗に歩き、大いに笑いましょうという「顔面WALK」など参加者と一緒に楽しむ企画がありました。
外のスペースには検診車と献血車が配置され、マンモグラフィ検診を無料で行い、献血にも多くの方のご協力を頂きました。
09年、10年の広島市開催と同様、今年もステージイベントのほかに講演テントにて、医療関係者による講演会が常時行われ、沢山の方が熱心に聴講していました。
在宅ケア、緩和ケア、化学療法、大腸がんや子宮頸がん、乳がん、膵臓がんなど関心の高いテーマばかり、多岐に渡りました。
また、サバイバーさんに焦点を当てた企画が随所に見られました。
特に感動的だったのが、ルミナリエセレモニーとして、サバイバーさんをステージ上にお招きしての、浜中実行委員長とのトークショーでした。
今年もフルマラソンに挑戦するというスキルス胃がんだった男性は「5年生存率は10%余で、元気になった人の例がほとんどない」と告知されたが、「数字は無視しよう。元気になり社会復帰した人の例がないのなら、自分が前例となればいい」と前向きに闘病生活を送り、今年の8月無事術後5年を迎える事が出来たと報告すると大きな拍手が沸き起こりました。
膵臓がんになった元保育士の方は突然過ぎるがんとの出会いを赤裸々に語り、がんよりも周りに迷惑をかけてしまう方が怖かったので、自分が辛いなんて言えなかったけれど、ネットを通じて同じ病気の方に「我慢しなくていい。頑張りすぎなくていい。誰か支えてくれる、見てる人がいるからね。」と励まされ、気持ちが楽になったと話しました。
また、ご自身は何度もがんを乗り越え、“生かされている喜び”を感じていたが、自分を支えてくれていた夫ががんで急逝してしまった体験を語った方など、それぞれの実体験が胸に迫り、涙を流す参加者もいました。
来年も絶対RFLに出るぞ!という想いを持ち、今年もこのステージに立てたことを喜ぶ登壇者に惜しみない拍手が送られました。
ルミナリエに込められた想いに灯がともる時間にこのプログラムはとても素晴らしいものでした。
そしてサバイバーさんの代わりに夜通しリレーを繋いで下さる「尾道走友会」の方々にタスキを預け、2回目のサバイバーズラップへ。広島のRFLでは開会式の後だけでなく、夜間ルミナリエセレモニーの後と翌朝と合計3回サバイバーズラップをします。
翌朝はラジオ体操の後、3回目のサバイバーズラップです。24時間という長丁場ですので、メリハリがつき、何度やっても感動があって、サバイバーさんだけでなく、その後に続いて歩く参加者もとても楽しそうです。
閉会式は24時間タスキをつなぎ続けたチーム、最多235周ををはじめ、150周以上歩き続けた人へメダルが授与され、誇らしげに写真撮影に応じる姿に惜しみない拍手が送られました。浜中和子実行委員長は約45名の実行委員の前に立ち、感極まった様子で参加者や実行委員らに感謝の言葉を述べました。そして「がんに負けない社会を、がんになっても早期発見・早期治療で命を落とすこと無く自分らしく普通の生活ができる社会を目指し、みなさんとともに協力しやり遂げていきたい」と力強いメッセージを発信しました。最後に日本の平和とみなさんの健康を願って一斉に白い鳩のエコ風船を飛ばして閉幕しました。