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世界のRFL舞台で、郷州葉子さんが代表メッセージ

リレー・フォー・ライフ(RFL)を精力的に続ける仲間たちが集う、全米の「リレー・フォー・ライフ リーダー サミット」が7月下旬、フロリダ州オーランド市で開催され、世界各国からの参加者も含めて、大中小さまざまな形の会議、集いで熱気あふれる議論と交流が繰り広げられました。

全米では5100箇所を超す各地で一年中RFLが開かれ、多くの人々の胸の中にがんを考える機会が植え付けられつつあります。歩きながら祝福の気持ちを表し、悼み、勇気を呼びかけてがん患者や家族を支えるという基本の考え方は深く根づき、人々の日常に活動が入り込んでいます。

全米12地区からの代表者が集まる大会には600人以上が参加し、楽しさと温かさにあふれていました。サバイバーや遺族、主催者のアメリカ対がん協会(ACS)、RFLからの資金援助で研究開発を進める研究者が、それぞれの立場で壇上に上がって魅力的な話をすると静まり返り、ユーモアと身につまされる真剣な感想には涙を浮かべる参加者もたくさんいます。

 

 

そうした厳粛な雰囲気の一方で、大歓声が上がるのは言葉の端々に地名や団体名がでるときで、考え方が根付く中で楽しみながら競い合う雰囲気見られました。サバイバーへの祝福が人生にどれほど大切な意味を持つか、寄付はRFLの意義を語りつまりは命を語り合ってこそその結果として集まるものである、地域のがん教育にRFLがこんなに貢献している、という一年の集大成の話に大拍手がわきます。競争心は効果的な結果をもたらしているようです。

 

 

日本からはACSの指名を受けて2人が参加しました。大会冒頭、世界の参加者を代表して郷州葉子さん(松戸市在住)が、「がんがなくなるまで、リレー・フォー・ライフをやめるつもりはありません」と強く宣言すると、会場から大きな拍手が沸き起こりました。郷州さんは、茨城県つくば市で開いたトライアルからがん患者の支援を志してRFLに参加、国際的な窓口として活躍していただいているボランティアスタッフです。

 

 

このスピーチは、RFLが28年前にワシントン州タコマで始まって以来つねに中心にいて「リレーの母」といわれるパット・フリンさんがまず話し、米国の若者を代表して女子大学生が決意を語った後に、世界を代表したもので、郷州さんはカナダ、オーストラリア、ニュージーランドや南アフリカ、欧州各国の代表からも終了後に肩を抱き合う祝福をもらっていました。

大ホールでの集いの合間にはセクション別に討論が行われました。各国からACSに指名で呼ばれた参加者は、対がん協会のような支援組織と、ともにRFLを支えるボランティアスタッフで、大会前日からその国際チームの議論、講習が始まりました。その中で、国別のRFL事情を説明する時間帯があり、ここでも郷州さんが2006年のつくばトライアルから今に至る日本の事情をていねいに説明しました。

国際的にみて日本での開催地増加の速度は目を見張るものがあると評価されています。画像を使った説明では若者の増加が将来の充実を予感される一方で、どのように楽しく正しくきめ細かな配慮ある催しに育てるかなどの課題も述べられました。

アメリカでの潮流は、サバイバーはもちろん、家族にも祝福の気持ちを伝えようという点に力点を置き始めた点です。また、全米159大学で学生たちが驚異的なサポート態勢で驚くべき数字の寄付を集めて支援に全力を挙げている若者台頭の姿は、日本でもこれからめざす方向を示しているのかもしれません。

国際部門を含めた集まりは3日間、朝7時から夜までの過密スケジュールで消化されました。日本国内のRFLにそのまま導入するのがよいのかわからないこともありましたが、楽しさ、一年じゅう準備をする、そこから導かれる絶大な効果、という点などは今後のキーワードになるのかもしれません。

 

詳しくは後日、ホームページなどで郷州葉子さんが報告します。

(報告:協会三船剛由)