2014年10月17日
画期的ながん治療法や、患者のQOL改善などをめざす日本国内の研究に対し、患者支援イベント「リレー・フォー・ライフ」に寄せられた寄付をもと助成する「リレー・フォー・ライフ プロジェクト未来」。今年度の採択者が、規定の審査会、および日本対がん協会理事会の承認を経て、下記の通り決まりました。
「リレー・フォー・ライフ(RFL)プロジェクト未来」
研究助成金 2014年度 採択者
Ⅰ分野(基礎研究・臨床研究)
片桐 豊雅 カタギリ トヨマサ |
徳島大学 疾患プロテオグノム研究センター教授 | 内分泌療法抵抗性乳がん克服に向けた新規エストロゲンシグナル制御機構の解明と革新的治療法の開発 | 100万円 |
近藤 豊 コンドウ ユタカ |
名古屋市立大学大学院 医学研究科 教授 |
がん細胞における機能性非翻訳RNAを介したエピゲノム修飾制御に関する研究 | 200万円 |
清水 重臣 シミズ シゲオミ |
東京医科歯科大学 教授 | オートファジー細胞死を標的とした新規抗癌剤の開発 | 100万円 |
筆宝 義隆 ヒッポウ ヨシタカ |
国立がん研究センター 研究所 ユニット長 |
難治がんの新規分子治療標的候補に対する発がん再構成系を用いた治療戦略の構築 | 200万円 |
松井 啓隆 マツイ ヒロタカ |
広島大学 原爆放射線医科学 研究所 准教授 |
リボソームRNAプロセシング異常による造血器腫瘍発症メカニズムの解明 | 200万円 |
南 優子 ミナミ ユウコ |
筑波大学 医学医療系 診断病理学 准教授 |
遺伝子解析・免疫染色を用いた革新的肺癌喀痰検診の癌発見率向上のための研究 | 200万円 |
安永 正浩 ヤスナガ マサヒロ |
国立がん研究センター 東病院 ユニット長 |
難治性固形腫瘍を標的にした抗間質抗体・抗がん剤複合体の開発 | 100万円 |
吉田 清嗣 ヨシダ キヨツグ |
東京慈恵会医科大学 生化学講座 教授 |
がん幹細胞の可塑性制御とがん治療に向けた応用展開 | 100万円 |
合計1200万円
(五十音順、敬称略)
Ⅱ分野(患者・家族のケアに関する研究)
大杉 夕子 オオスギ ユウコ |
大阪医療センター小児科 医長 |
小児がん経験者を対象にした晩期合併症とquality of life に関する調査研究 | 50万円 |
小川 朝生 オガワ アサオ |
国立がん研究センター東病院 医師 |
外来治療中の患者・家族の療養生活の質の向上を目指したPatient Reported Outcome(PRO)を用いたコーディネートプログラムの開発 | 50万円 |
関 由起子 セキ ユキコ |
埼玉大学教育学部准教授 | がんの子どもの復学支援体制に関する研究 -病弱特別支援学校のセンター的機能を中心に- | 50万円 |
田淵 貴大 タブチ タカヒロ |
大阪府立成人病センター がん予防情報センター 課長補佐 |
がんサバイバーにおける多重がん発症とその死亡リスクに関する実証研究 | 50万円 |
成松 宏人 ナリマツ ヒロト |
山形大学大学院医学系研究科 准教授 |
がんサバイバーの生活習慣のマネジメントに関する研究 | 50万円 |
橋本 伸之 ハシモト ノブユキ |
大阪府立成人病センター リハビリテーション科 部長 |
患者アドボカシー活動の積極的支援による骨転移診療の改善 | 50万円 |
合計300万円
(五十音順、敬称略)
3回目を迎え、今回の応募は69通と過去最多でした。どれもレベルが高く、審査会では採択者を選ぶのに大変迷い、真摯な検討がなされました。そこで今回は1件当たりの額を減らしてでも、より多くの研究を助成しバックアップしたいという意見が支持され、Ⅰ分野(基礎研究・臨床研究)から8件、Ⅱ分野(患者・家族のケアに関する研究)から6件の計14件に、総額1500万円を分配することになりました。
本助成制度には、がん研究を進める礎となってほしいというリレー・フォー・ライフ関係者の大きな期待が込められています。近い将来、がんの新薬や新しい治療法が生まれる日の来ることが、強く望まれています。