5月11-12日、「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2013くまもと」が熊本市内の繁華街にほど近い白川公園で開催されました。この場所は熊本北警察署の隣ということもあり治安はばっちり確保されている上、ウォークする通路は舗装されて歩きやすく、その通路の内側は出入り自由の芝生とリレー会場として最適ともいえる環境でした。唯一心配だった天気も当日朝まで雨が続きましたが、実行委員会の願いが届いたのか開会式のころにはすっかりやみ、時折晴れ間がのぞくなど、絶好のリレー日和となりました。
開会式では熊本県警察音楽隊の軽やかな演奏に続き、熊本県総合保健センター理事長である福田稠大会会長のあいさつ、そして日本対がん協会の箱島信一理事長からはリレーで集まった寄付金ががん征圧のために役立てられること、そして参加者への感謝の気持ちが伝えられました。
その後、県警音楽隊の演奏に送られてサバイバーズウォークがスタート。この瞬間を待ちわびていたのか、フラッグを掲げるサバイバーさんたちの笑顔がはじけました。続いて各チームのウォークが続く中、ご当地キャラクターのくまもんが登場すると、たちまち人だかりができ、改めて人気の高さを物語っていました。
暑くもなく寒くもなく湿気が少ない爽やかな空気の中、チャリティーオークション、サバイバーズトーク、がん専門医による講和が続き、会場はがんにまつわる情報に囲まれました。日が傾くころ、おなじみのつぼけんこと坪山健一さんのサックスが会場に響き渡り、会場は徐々厳粛な雰囲気へと変化していく中、エンプティ―テーブルでの詩の朗読が流れ、ろうそくにゆれるルミナリエの灯りがほのかに会場を包みました。
そして翌朝は競技エアロビクス日本代表の大村詠一さんによる体操でステージが再開されました。大村さんは小学2年生の時にI型糖尿病を発症しながらもトレーニングを続け競技生活を送ってきました。その傍ら講演活動を通してエアロビックの普及、発展につとめ、I型糖尿病の啓もう、啓発活動に力を入れているということです。膵臓を切除した大村さんは毎日8本のインシュリンの注射を続けなければ生命を保てないことを話してくれました。病気の種類は違いますが、闘病生活を続けながらも多くの人に元気を届ける大村さんのトークとトレーニングに参加者は大きな力を受け取ることになりました。
その後、芝生に大きなブルーシートを敷き、がんサロン同志による交流会が始まりました。熊本県内には22のがんサロンがあり、どこも活発に活動を続けているとのこと。今回はサロンの垣根を取り払い、薫風かおる青空の元、サバイバーさん同志がなごやかに語り合いました。最後に地元のゴスペルグループによる歌、熊本市立帯山中学校吹奏楽部による演奏からラストウォークに移り、それが終わると来年またこの会場で再会することを宣言して、無事24時間のリレーウォークが終了しました。
今回で3回目を迎えたRFLJ2013くもまとのキャッチフレーズは「心ひとつ 絆つないで」でした。夜中も途絶えることのないウォーク、思いのこもったメッセージがあふれるルミナリエ、チームテントで花咲く談笑、きびきびと動く実行委員、打ち解けた雰囲気のサバイバーさん同志の交流は、そのキャッチフレーズがしっかり具現化されていることを物語っているようでした。人の絆を強くする力がリレーには宿っている、そんなことを実感させるくまもとでのリレーとなりました。