2011年3月25日
日本対がん協会
東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。日本対がん協会は被災地で暮らすがん患者さん支援に努めていきます。
被災地では、震災前からボランティアのみなさんが、がん患者のためのチャリティウォーク「リレー・フォー・ライフ」の開催へ向けて準備を進めてきました。震災によりスタッフが置かれた環境は大きく変わりましたが、リレー・フォー・ライフで結ばれた全国の仲間たちから温かい支援の言葉が次々に寄せられ結束の強さを示しています。ここに、地域ごとの準備が進む本格シーズン入りを前に基本姿勢を改めて記し、リレー・フォー・ライフ2011の力強いご支援をお願いするしだいです。
◆被災地支援もテーマに
●全国で計画準備中のRFL2011は、地域で暮らすがん患者の方々のために計画通り開催しようと全国のボランティアスタッフと確認しました。これから実現へ向けて動き出します。サバイバーである実行委員の中には、きょう自分が出来ることは何か、あすの命は大丈夫か、と日々自問しながら数カ月にわたり真剣にRFLに取り組んでいる方が多くいます。参加を楽しみにしている方々も大勢で、みなさんから、今年開催への力強い決意
がときに寄せられます。RFLの本来の姿を忘れず、各地で開催を目指します。
●その上で、以下に記すメッセージを送りながら、「被災地支援」を打ち出します。RFLで集まる寄付は、通常は開催の実行に要する経費、その後は全国と世界のがん患者支援に使われます。加えて今年は「東日本大震災がん患者支援」を入れます。概略は以下に記し、詳細はこれからボランティアのみなさんと知恵を出し合いながら決めていきます。
◆長期的視野をもって
●「東日本大震災がん患者支援」をサブメッセージに全国で実施します。開催準備に合わせ、段階を踏んで計画を進めます。すでに取り組みを始めたもの、今後のものがありますが、時期を見極めながら現実的に取り組みをします。
【緊急対策】
日本対がん協会に「東日本大震災がん患者支援」のための銀行口座を3月24日に開設し、寄付を受け始めました。被災地からの相談にのるがん相談フリーダイアルを特設し、「被災地用 がん医師相談」、「被災地用 がんホットライン」を始めました。RFLに関するチラシ類にこの旨を記し、応援の意志を対外的に伝えます。
【中期対策】
被災地の困惑は長きに及ぶと思われます。そこで、RFLを通しいくつかの支援策を打ち出します。まず、被災地で計画しているRFL開催への支援です。こんなときだから寄りあって歩きたいという声がもし地域から出れば、それにこたえたいという意見が強くあります。地元に負担をかけず、励ましながらいっしょに歩く「手助け隊」を全国から募ってつくります。希望があれば、小さくても開催できる案をみんなで準備する予定です。全国の開催会場では、被災地むけの募金箱を用意します。また、閉幕後に実行委員会から寄せられる全国がん患者への寄付を被災地での新事業、支援にも充てるほか、自治体、病院など受入れ先を決めて支援金として渡す仕組みを考えていきます。
【長期対策】
サバイバー、家族の支援が必要になる時期がくると思われます。そこで、被災地の可能な場所で治療と心をサポートしたり、患者・家族が話し合う「がんサロン」を専門家のアドバイスのもとに開いたりすることを、時期を見ながら計画します。残された遺族を支えるグリーフケアの必要性も痛感しています。
◆支援は長期にわたると考えられ、事態の推移を見ながらそのつどボランティアのみなさんと話し合う会議などで具体策の協議を重ねることにしています。