豊かな緑が周りを覆う山間のキャンプ場とその周辺がメーン会場です。実行委員会が前日から運び込んだ荷物に加え、当日は朝から多くのボランティアスタッフが次々に到着し、テント張り、講演の準備が進みます。川沿いを少し歩いた体育館も利用され、若者たちの手で音楽、踊りの下ごしらえも始まっていきます。
「亀岡の特徴はシンプルです」と、櫻井ゆう子実行委員長。先頭に立ち、ご主人、息子さんの全面支援を得てこの一年近く動き回ってきました。その間には、自らの治療入院があったにもかかわらず、京都での初開幕を精力的にめざしてきました。
実行委員のみなさんも意気に感じ、役割を十分に理解してそれぞれの立場で出来ることをモットーに奮闘してきました。その成果は、畳部屋での医師や看護師さんによる講演、駐車場、ルミナリエ、フードコーナー、体育館での催し、スケジュールをみんなが本気で成し遂げようという気迫さえ感じました。
信じられない強さで15分降ったかと思うと雨はピシャリとやみ、1時間後に同じ繰り返し。
高校生たちが、せっかく並べたルミナリエにあわててビニール袋をかける姿は、何とかメッセージを大切にしたいという気持ちが伝わります。一周200メートルの歩くコースのわきに京都府立農芸高校のメンバーがしつらえた「HOPE」の文字は、頑強に土手にふんばり、雨になんか負けるものかといった強さを歩く人たちに伝えているようでした。
圧巻は、エンプティテーブル。ほどよいころに雨はやみ、自然の形を利用してコースのはずれにしつらえた舞台から、大阪芸術大学の専門家が奏でる尺八が響き、一転して厳粛な雰囲気が醸し出されます。詩の朗読、美しい歌声が響き渡る暗闇で、友人か家族か抱きしめあっていつまでも離れない人たちの影が、ぼーっと輝くルミナリエの世界に映し出されます。
徳島、兵庫、横浜からも応援にリレーの仲間たちが駆けつけて初開催を励ましました。
闇は深まるとともに空は晴れ、心に刻まれる会場でした。