「リレー・フォー・ライフ ジャパン2012 inさいたま」(新城均実行委員長)が9月8日(日)と9日(日)に、さいたま市緑区農業者トレーニングセンター「緑の広場」で開催されました。4回目の開催とあって、前日設営でもボランティアスタッフの動きが慣れたもので皆さん手際良くカラフルなテントを張っていきます。綺麗な芝を痛めないようにゴムのマットを敷いてウォーキングトラックを作るのが埼玉スタイル。重労働でしたが、完成した250mのトラックは歩く度に土と芝生の柔らかさを感じる理想的なコース。サバイバーからも歩きやすいと好評でした。
開会式では今年ヒーローズ・オブ・ホープ賞を受賞した実行委員の新城和子さんが紹介され、お孫さんから花束が渡されました。新城さん、本当におめでとうございます!
さいたま市消防音楽隊の軽快な吹奏楽演奏に引き続いてサバイバーズウォークが行われ、約100名のサバイバーが笑顔で緑の芝生を歩きました。一斉ウォークでは、がん患者会シャローム、きんもくせいの会、NPO法人とまり木、東急建設など30チームが参加しました。 土曜日も雷が鳴り週末の天候が不安視されたのですが、なんとか2日間お天気に恵まれ強い日差しが降り注ぐなか約1000名の方が参加しました。
参加チームは、ストラップ等手作りの商品やかき氷を売ったり、バザーを開くなどアイデアを出して大会当日もチームごとに寄付を募ります。閉会式でチームごとの寄付合計金額が発表され上位3チームには実行委員会からメダルの形をしたパンを貰い表彰されました。金メダルならぬ金パンを貰い表彰されたチームも嬉しそうでした。
ステージは、参加者も一緒に楽しめるプログラムが多かった今年の埼玉RFL。大宮同心桜連のよさこい、埼玉県歯科衛生士会の健口体操など、参加者も一緒に踊り盛り上がりました。三室空手道場の空手演舞では歓声があがり、患者と医師のコラボバンド「ハレルヤ」の演奏では参加者も一緒に歌いひときわ大きな拍手を浴びていました。
啓発ブースでは、様々なプログラムが行われどの回も熱心に聞く参加者でいっぱいでした。日本医科大学武蔵小杉病院の勝俣範之医師と杏雲堂病院の河野勤医師による「腫瘍内科医と語ろう」では、質疑応答でサバイバーの率直な質問がたくさん寄せられいずれの質問に対しても誠実に答える両医師の姿が印象的でした。埼玉県立がんセンター乳腺外科部長武井寛幸医師による「乳がんの家族性・遺伝性について」も多くの女性が参加し盛況でした。ボランティアスタッフとして初めてRFLに参加した上尾中央看護専門学校の学生はこれらの啓発セミナーをメモを取りながら熱心に聞き「病院では聞けない患者さんの生の声を聞けてとても勉強になった」と語り、他の学生からは「サバイバーさんがとても明るくて驚いた。表情も明るくて楽しそうな彼らの姿を見て、私も一生懸命ボランティアをしようと思った」と語りました。RFLはがん患者支援のチャリティーイベントでありながら、将来医療の道を志す若者の勉強の場でもあることを感じました。いずれの学生も、今回のボランティア経験を将来に生かしたいと話しました。
東急建設のブースでは、「みんなで森を作ろう!」という葉っぱ集めのスタンプラリーや缶バッチ作り体験が行われ子供達に人気でした。サバイバーズサロンや読み聞かせブースがあったり、ウナイ歯科ブースでは無料歯科検診が行われる等いずれのブースも参加者に人気でした。
夕方からルミナリエの灯が点り始め暗くなる頃には綺麗なHOPEの文字が浮かび上がりました。東急建設さんが作ってくれたイルミネーションのゲートとウォーキングコース沿いに灯るルミナリエが相まって美しく、写真を撮る人もたくさんいました。夜間歩けないサバイバーの代わりに歩いてくれるボランティアへのチームからのタスキ委託式もあり、夜が更けても歩く人の姿は途切れませんでした。
二日目はラジオ体操からスタート。昨日の雷が嘘のように快晴です。閉会式後のサバイバーズウォークでは、サバイバーの皆さんのたくさんの手形が押されたフラッグを手に持ち、青い空と白い雲をバックにゆっくりと会場内を一周しました。ラストウォークではボランティアスタッフも加わり全員で歩きました。新城均実行委員長の「また来年もお会いしましょう」との閉会宣言をもって2012年の大会は幕を閉じました。
埼玉の会場は全体的にコンパクトにまとまっており、参加者同士の距離も近くお互いに声をかけやすい雰囲気がありました。参加者の交流も盛んで、リピーターが多いのも特徴です。子供からお年寄りまで楽しめてがん啓発の勉強になり「また来年ここで会いたい」と思わせるRFLを作り上げたのは新城ご夫妻をはじめとする実行委員の皆さんの努力の賜物です。新城実行委員長のお人柄もあり、笑顔の素敵な実行委員や参加者が多かった、そう感じさせる人情味に溢れる埼玉RFLでした。